人間の個体差やストーリーこそより代え難い価値となる領域

数年後以降に起こる出来事の予測をした以下の内容を読んで考えたことを雑に残しておく。AGIが実現するともう殆ど今の仕事群はAIに代替される蓋然性が高そう。

https://docs.google.com/document/d/1fqxXmaT-_ryk3cqA_ykH2au8oM8faIE_JI14H4dyTE8/mobilebasic

AIは物事を均質的に高品質なものをアウトプットできるようになるが、逆に「あえて均質化しないこと」が価値の源泉になるものはなにか。

人・関係性系

  • スポーツ: 努力してきたプロセスを知ってるからこそ応援する。同じ故郷の選手だから応援する。
  • 恋愛: 私には無いものをもっているからこそ惹かれる。一緒にいて、見せられる表情がユニークだからこそ惹かれるだとか。
  • 友情 / 師弟関係: 「この人だから」という非代替性。
  • 子育て: その子固有の成長曲線があるから感動する。
  • 推し活(アイドル・VTuber): 成長過程や不完全さが愛着を生む。

創作・表現系

  • 音楽の演奏: 同じ楽曲でも奏者・日によって違う。ライブの一回性やムラ。
  • 落語・漫才: 師匠や訓練所で受け継ぎ、磨きながら変わる。組ごとの味。
  • 写真: 機材が同じでも撮る人で変わる。どんな瞬間にピンと来て、シャッターを押すか。どの構図で撮るかに面白さが出る?均質的にアウトプットをする、あるいはそこに発露する感情のないAIの写真は面白いか?

モノ・自然系

  • 古道具・ヴィンテージ: 傷や経年がストーリーになる。
  • 天然石・木材: 模様が一点もの。
  • 農作物: 形が不揃いだから産地・生産者に意味が生まれる。
  • ワイン(ヴィンテージ): 同じ畑でも年によって全然違う。

知的・社会系

  • 学問の議論: 同じデータから異なる解釈が生まれるから面白い。
  • 投資・市場: 参加者の判断の歪みが価格を動かす。
  • 選挙・民主主義: 意見のデコボコが前提の仕組み。

共通する構造

均質でないこと

→ 比較・選択が生まれ

 → 感情移入・応援・愛着が生まれる
      → 価値(経済的・感情的)になる

AIが均質化を加速する時代

AIや工業製品が「均質化」するほど、デコボコを持つ人・物・体験の希少価値は上がる。

- スキルの差はAIが埋める
- 残るのは「その人のストーリーと凸凹」
- 「一緒に働きたい」「応援したい」は、均質化できない感情

個体差こそが、これからの競争優位の源泉になる、かもね。というか以前から、そうか。

みんな違って、みんないい。ではなく、みんな違うからこそ、みんないい。とかどうだろう。

EMConf JP 2026 開発生産性と言う時に本質的に目指すところは事業生産性である。それを如何に解剖するか

GMOペパボのエンジニアとして、EMConf JP 2026に参加してきた。

特に印象的だったのは、EMの仕事を「カネ」の観点から捉え直す以下のセッションだった。

speakerdeck.com

これまで私はチームビルディングや採用・オンボーディングなどの「ヒト」の部分、そしてスクラム開発の中で何を作るかやどのように作るかの「モノ」の部分について意識して扱うことはあったが、「カネ」の部分については苦手意識があるのか、あまり意識して扱えてこなかった自覚がある。

この発表で改めて「ヒト・モノ・カネを戦略的に活用し事業を成功へ導く」ことがEMの1つのお仕事なんだろうなと理解した。

そして、この発表を聞いて、これまで苦手意識のあった「カネ」の部分についての勘所を教えてもらうことができた点で、とても印象に残ったのだ。

開発生産性上げたい!ん、開発生産性ってなんや

開発生産性を上げたい、となったときに、本当の意味するところは「事業生産性」を上げたいということである。例えばPRの量が3倍になっても事業活動の成果が横ばいであるのならば、それは私たちの望むところではない。(むしろ生産性は下がっている?!)

以下のスライドでいうところの、「レベル3生産性」が最も私たちの志向するところである。

開発生産性について議論する前に知っておきたいこと

https://speakerdeck.com/onecareer_tech/kai-fa-sheng-chan-xing-dehanaku-shi-ye-sheng-chan-xing-kosogaben-zhi-roicdeniu-jie-ku-kai-fa-no-jia-guli-nozui-da-hua?slide=26

 

ではいかにして事業生産性を上げられるのか。発表ではROICという観点から、その構造を捉え直していた。

ROIC: Return On Invested Capital

ROICとは、Return On Invested Capitalの略称で「ロイック」と読みます。企業と債権者(銀行など)から調達したお金に対して、どれだけ効率的に利益をあげることができたかを測定する財務指標です。日本語では投下資本利益率と言われます。

ROICとは? メリットやROE・ROAとの違いとは? |転職ならdoda(デューダ)

 

簡単にいうと、ROICは、投下したリソースに対してどれだけの利益を生んだかを示す指標らしい。これを因数分解すると、EMが日々確認すべき具体的な項目が見えてくる。

https://speakerdeck.com/onecareer_tech/kai-fa-sheng-chan-xing-dehanaku-shi-ye-sheng-chan-xing-kosogaben-zhi-roicdeniu-jie-ku-kai-fa-no-jia-guli-nozui-da-hua?slide=30

https://speakerdeck.com/onecareer_tech/kai-fa-sheng-chan-xing-dehanaku-shi-ye-sheng-chan-xing-kosogaben-zhi-roicdeniu-jie-ku-kai-fa-no-jia-guli-nozui-da-hua?slide=31

分母である投下資本の中に、基本的にソフトウェアエンジニアが日々向き合っている無形固定資産(ソフトウェア)が含まれていて、資本的支出(CAPEX)という。

また、分子である税引後営業利益の要素の中に、人件費やインフラ費など事業運営に関わる事業運営費(OPEX)がある。

今と同じかより少ない資本の投下で、より大きな利益を出すことができれば、ROICは上げられそうだ。

分母である投下資本を下げる営みとは。例えばこんなものか

開発コストの削減
  • マネージドサービスの利用 — インフラの構築・運用を委ねる(RDS, Cloud Run等)
  • コード生成・AIツールの活用 — ボイラープレートや定型作業を自動化する。AIによるコードレビュー
  運用コストの削減
  • CI/CDの整備 — デプロイ・テストの手作業を排除する
  • Infrastructure as Code — 環境構築の再現性を担保し、属人化を防ぐ
  • サーバーレス・従量課金型アーキテクチャ — 使った分だけ払う構成にする
人的コストの削減
  • ドキュメント・ADRの整備 — オンボーディングコストや意思決定の再議論を減らす
  • 自動テスト — 手動QAの工数とリグレッションの修正コストを下げる
  • リファクタリング — 技術的負債の利子(変更コスト増大)を抑える
  • 認知負荷の低減 — シンプルな設計、明確な命名、適切なモジュール分割
  失敗コストの削減
  • カナリアリリース・段階的ロールアウト — 障害の影響範囲を限定する
  • ブルー/グリーンデプロイ — 切り戻しを即座に行えるようにする
  • フィーチャーフラグ — ロールバックコストを下げる

分子である税引後営業利益を上げる(つまり発生する事業運営費を下げる)営みとは。例えばこんなものか

  • lambdaやEC2をamdからgraviton化する
  • 過剰にpodが立っているためmax podsを下げる
  • CloudWatchに吐いていたクエリログをS3に引っ越す
  • スロークエリやN+1の解消
  • etc...

終わりに

何事も、考え方のフレームワーク・パターンというのは大事で、それらは大抵もう既に人生の諸先輩方が作ってくれているので素直に学ばせてもらおう。

EMConfは初の参加だったが、結構カネに焦点を当てたセッションが多く、大学時代を思い出すぐらい、たくさん知らないことを学ばせてもらった。登壇者の皆さん、参加者の皆さん、そして何より運営された皆さん、大変ありがとうございました。

 

 

ブライダルジュエリー店にはチラ見目的で行かない方がいい

今日、とあるブライダルジュエリー専門店にパートナーと共に訪問した。

いくつかの店を経てちゃんと目的物を精査したかったため、初めに入った専門店で『来店予約してないんですけど少し見てもいいですか?』と聴いたところ『もちろんです!』と言ってくれたのでその言葉を信じた。

一階は展示スペースで、エレベーターで移動するよう促された。『少しだけ見せてくれるだけなんだよな?』と思いつつ、ひとまず誘導に従った。エレベーターのドアが開いたとき、視界に入ったのは、いくつかのテーブルと椅子のセットがある空間だった。なぜか周囲にジュエリーが見当たらない。そして、専属のコンシェルジュがついた。どうやらこれはもう始まってしまったな?

確かまだ太陽が燦々と照っている15時ごろに店内に着いていた。なのに、何故か店を出る頃には外は真っ暗である。重大な意思決定を終えて、私たち二人は清々しい気持ちではあったが。

これからそういうお店に行かれる予定で、いくつかの店を回ってから決めようと思っている方には十分に注意してほしい。

どうすればいくつもの店を回って意思決定できるのだろう。

 

2025年から2026年までの1年間で、開発者として変わったこと

コードをtypeしなくなった

2025年6月から本格的にClaude CodeおよびClaude Code Actionsを使い始めた。そして2026年2月現在、かれこれ半年以上コードを1文字もtypeしていない。

また、gitコマンドの実行もしていないし、Githubで「Create Pull Request」のボタンも押していない。

それらは全てClaude Codeに実行してもらっているからである。

なんなら昨日(2026年2月27日)、Slack MCPをClaude Codeと接続し始めたことで、Slackに投稿することすらもClaude Codeに任せるようになった。

実装できるかどうかではなく、想像できるかどうかに力点を置くように

どのように実装できるのか・Howについては、もはや自分よりも知識の幅も深さもあるAIに任せたほうが早くなってしまった。

だから、自分が力を伸ばすべき部分は、未来を想像する力だと感じる。

想像力の限界が、アウトプットの限界。想像できるものは全部アウトプットまで持っていける時代なので、想像力を伸ばす事が大事。そのためには、累積インプット+累積思考+累積業務経験が必要。容易には追いつけない。累積からうまれる想像力の上限の高さが一番大事。近道はなく、「極める」ということ

https://x.com/fukkyy/status/2026889004927562245?s=20

 

常に変化する社会的な文脈を理解した上で、未来を想像し描くことができればあとはAIがとてつもない速度で実現してくれる。

 

想像力を鍛えるための習慣

ではどのようにすれば想像力が鍛えられるのかについては、何がどこまで現時点で実現可能なのか、また将来はどんなことが実現できそうかについて、世の中の他の会社や人間のアウトプットにアンテナを張っていることが重要なことの1つに思う。

あるいは、世間で何が流行っていて、どんな人が生きているのか、何が社会課題なのかなどについて理解に努めることだと思う。

そして、そういった引き出しは、やはり本を読むことが効果的だと思う。

だから最近はちゃんと技術雑誌(「Software Design」は毎月読むように)や新書、エッセイ・小説を読むようにしている。

これを読んでくださった方も、これからどんな風に、何を鍛えていきたいかについて考えがあれば聞かせてほしい。

 

 

 

 

 

AI使って早く仕事を終わらせて逢いたい人に逢いに行く

AIは本当に凄い。特にClaude Codeを普段使いしていて、もうこれ無しでは開発のスピードが出せない身体になってしまった。

並列で作業ができるし、初動が難しい調査でも難しい顔をせずこなしてくれるし、良い意味でどんどんAIに仕事を奪われている。

気をつけないとずっとAIの見守りをし続けてしまうから、意識的に人間ならではの営みに重点を改めて置きたい。

  • 恋人ともっと沢山の時間を過ごす
  • 友人の誕生日会に行く
  • プレゼントを選びに行く
  • 登山部の仲間と山に行く
  • 友人と朝活をする
  • とはいえ、センスを磨くために技術雑誌を読んだり
  • エッセイや小説を読む

まだしばらくは、大好きな人たちの存在自体をAIが取って代わることは無さそうであるから、早く仕事を終わらせて大切な人たちに逢いに行きたい。